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IPv4グローバルアドレスは、アドレスを管理しているIANA(Internet Assigned Numbers Authority)の中央在庫が2011年2月になくなりました。 また、IANAから割り振りを受けるAPNICおよびJPNICの枯渇が生じたのは、2011年4月ごろです。

 

IPv4の枯渇に対応するために、新しいIPv6が制定され、導入が進んでいます。 しかし、IPv4とIPv6には互換性がないため、インターネットワーク全体が一挙にIPv6に移行できるわけではなく、しばらくはIPv4とIPv6の両方が並存しながら、徐々にIPv6へと置き換わっていくことになります。

 

IPv6で使用されるアドレスは、IPv4の32ビットから128ビットに拡張されており、約340澗個(340兆の1兆倍の1兆倍:ほぼ無限大)という膨大なアドレス数となります。

 

当記事は、IPv6アドレスについてご紹介します。

 

IPv6アドレスの表記法

IPv6アドレスは128ビットで、表記する際は16進数の32桁で表記し、4桁ごとにコロンで区切りを入れるようになっています。

しかし、32桁では桁数が多いので表記するときに大変です。 そこで、途中の「0(ゼロ)」を省略することができるようになっています。

 

「0」の省略ルールは次のように決まっています。

・区切り(:から:まで)の先頭の「0」を省略できる。 ただし、区切り内がすべて「0」の場合は、1つだけ「0」が必要。

・「0:」が続く場合、一度だけ「::」に省略できる。

 

図1 IPv6アドレスの表記法   

 

 

IPv6アドレスの種類

IPv6の通信で使用されるアドレスには、次の3つの種類があります。

 

  • ユニキャストアドレス 1対1の通信用のアドレス。 特定の1つのアドレスの送信元から、1つのアドレスの宛先までの通信。
  • マルチキャストアドレス         1対多の通信用のアドレス。 特定の1つのアドレスの送信元から、1つのアドレスを持つ複数台すべてを宛先として通信。
  • エニーキャストアドレス       1対複数のうち1つの通信用のアドレス。 特定の1つのアドレスの送信元から、1つのアドレスを持つ複数台のうちの1つを宛先として通信。

 

IPv4にあった「ブロードキャストアドレス」がなくなり、マルチキャストアドレスの1つとして扱われるようになりました。

また、IPv4にはなかった「エニーキャストアドレス」が加わっています。 エニーキャストはマルチキャストと同じように、1つのアドレスを複数台の機器が持つ方式で、その複数台の機器に通信が行われるものです。

ただし、返信をするのはその中の送信元に最も近い1台だけ、という通信方式になります。

 

図2 IPv6アドレスの種類

 

 

リンクローカルユニキャストアドレスフォーマット

リンクローカルユニキャストアドレスは、ルータで区切られた範囲(サブネット)でのみ有効なアドレスです。 IPv6を使用する機器は自動でこのアドレスを生成します。

これにより、アドレスの割り当て作業なしでも通信が可能になります。

また、近隣探索(IPv4のARPに相当)などにも利用されます。

 

リンクローカルユニキャストはネットワークアドレスが「fe80::/10」であり、これに64ビットのインタフェースIDを足したものとなります。

 

図3 リンクローカルユニキャストアドレスフォーマット

 

 

EUI-64フォーマット

 

インタフェースIDは、同一セグメント内でユニークでありさえすれば任意に決めることができますが、MACアドレスを基に、EUI-64というフォーマットで自動生成することができます。

しかし、EUI-64をインタフェースIDとして使用すると、インタフェースIDからMACアドレスを逆算されてトレースされるなどのリスクがあります。そこでIPv6アドレスの生成にMACアドレスを使用せず、ランダムに生成したインタフェースIDを一定期間で使い捨てる方式(プライバシー拡張:RFC4941)も広く使われています。

 

図4 EUI-64フォーマット

 

 

グローバルユニキャストアドレスフォーマット

グローバルユニキャストアドレスは、インターネットで制限なしに使用できるアドレスで、IPv4アドレスのグローバルIPアドレスに当たります。 その構造は、ネットワークを示す「プレフィックス」の64ビットと、ホストを示す「インタフェースID」の64ビットから成ります。 それぞれIPv4アドレスの「ネットワークID」と「ホストID」と考えればよいでしょう。

ただし、IPv4のネットワークIDはサブネット以外では単純に「ネットワークの番号」という意味を持ちませんが、IPv6のプレフィックスはその配置に意味が存在します。

 

図に示すように、グローバルユニキャストアドレスは先頭ビットが「001」で始まるアドレスです。 現在は先頭16ビットの16進数表記で「2001」が使われています。 そこからIPアドレスの管理組織であるレジストリ(Registry)を示す部分があります。 そして、ISP(Internet Service Providor)を示す番号、ISPからIPアドレスを割り当てられた組織を示す番号があり、この①~④を特に「グローバルルーティングプレフィックス」と呼びます。

そして、その後ろにサブネットを示す番号と、ホストを示すインタフェースIDが続きます。

 

図5 グローバルユニキャストアドレスフォーマット

 

 

いかがでしたでしょうか。

ぜひお勉強の際にお役立て下さい。

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