KENスクールブログ | パソコン教室・パソコン講座なら個別指導のKENスクール

BLOGKENスクールブログ

  1. KENスクール TOP >
  2. KENスクールブログ > その他 > テレワーク時代のプログラミング学習と指導方法

その他

テレワーク時代のプログラミング学習と指導方法

執筆当時は5月の末。公開時と少しラグがありますが、2020年は私たちパソコンスクールにも変革が求められています。今まで当たり前と考えられていた『対面授業』ではなく、今後はテレワーク時代も見据えた『オンライン授業』のニーズは高くなりそうです。
弊社では新卒研修を担当するプログラミング講師には【テレワークでのプログラミング学習】を実現するべく、日夜奮闘しました。
その経験を踏まえて、今後のテレワーク時代のスタンダードとなりえるだろう、プログラミング学習について紹介いたします。(実際の新卒研修ではJava研修、期間は1か月間、受講生は30名程度で実施)

1. 突然?訪れたコロナ問題

3月下旬、毎年恒例の新卒研修の準備のため、受講生の人数に合わせた印刷物で山になる部屋は『様子』が違いました。コロナ問題で急遽『オンライン授業』の方針となり、プログラミング学習で使用する教科書、パソコン、机、椅子などは全て片付けられ、代わりに受講生へ送付する段ボールの山になっていました。
受講生何十人という規模の段ボールを用意し、プログラミング学習で必要となるパソコン、教科書等を受講生の住所へ送付する作業が必要だったためです。送付準備でも一苦労でしたが、一番の課題は【オンライン授業を担当する講師陣の準備・実施】でした。

通常プログラミング学習は、学習をする前に『事前知識』の確認をしてから指導します。プログラミング学習が初めてなのか、学生時代に経験があるのか、あるならばどの言語か…。それは十人十色であり、集まる受講生に合わせた授業を展開できるように講師陣は【顔色を見る】ことを大切にしています。
しかし、テレワークとなると、ビデオ通話越しでの確認となるため、実際にコードを書く受講生の手元を見ることはできず、理解度を確認しながらの授業がしづらいことを今回のコロナ問題で知ることとなりました。
以下準備・実施段階で発見できた課題です。

  1. 教材の準備が大変(PCやテキストなどを受講生毎に準備・発送)
  2. 受講生のスキルチェックがやりづらい(受講前のITスキルの有無)
  3. オンライン接続用のID、パスワードなどの事前配布が大変(受講生にメール配布)

2. 研修初日!出席確認が上手く出来ない…

上記課題がクリアし、研修初日を迎えても、講師陣にはアクシデントが多くありました。例えば『新卒社員のため、ホテルからの受講となり、ネット回線が遅いため音声が飛び飛びになる』『実家の犬がよく吠えるので、マイクをONにすることができない』など様々な事情を抱えた受講生がいることが浮き彫りになりました。
これらの事情から出席確認を取ることや、受講生の質問をまとめる【サポート講師】がいなくては、授業が上手く進行できないことが分かり、【講師陣は2人体制で実施する】などの新しいルールができることもありました。
逆にオンライン授業だからこそ『画面共有で資料の共有がやりやすい』『一度に大人数での授業開催も可能』という従来の考え方ではイメージしづらかった部分が明確になりました。
次の項目ではオンライン授業だからこそのメリットやデメリットをまとめます。

3. テレワーク時代のプログラミング学習のメリット・デメリット?

メリット :
  1. 【受講生視点】オンライン学習だからこそ、学習を始めるハードルが低い
    これはオンライン授業を視聴できるツールがPCやタブレット、スマホと多種多様な事から学習を始めやすい傾向にありました。書物を読んでコードを書くこと(写経)から解放されるのは新しい視点です。また学習の切り替えもURLを切り替えるだけなので、興味がある分野の学習がスムーズに行えます。
  2. 【講師側視点】ツール環境が整えばトータルのランニングコストは低い
    これは講師や受講生のツール環境を整えるのは大変ですが、『せっかくツールを導入したから、別の研修もしたい』というお客様の要望も多く、何度も研修を実施することを考えればランニングコストは、今までの集合型研修よりも低くすることができるため、今後のテレワーク時代では必須のツールとなります。
デメリット:
  1. 【受講生視点】授業の不明点を上手く表現できない
    これは通常の対面授業であれば受講生の顔色や身振り手振りから、不明点を洗い出すことも可能ですが、オンライン授業では『音声のみ』参加などの場合も多く、その受講生の不明点を講師に伝えられずに授業が進んでしまう。といったケースがありました。【サポート講師】による質疑応答でカバーしますが、『どこが分からないのか、分からない』といった自分の状況を上手く伝えられずに困った。と回答してくれた受講生がいました。
  2. 【講師側視点】授業のスピードが通常の約2倍遅くなる
    これは受講生の参加人数が多くなっている反面、全ての人が理解できるスピード感で授業する必要があるために、かなり意識する必要があります。授業が早すぎるとついてこれない受講生が出始め、遅すぎると集中力が切れてしまう受講生もいます
    。早い人には別途課題を用意してなるべくゆっくり授業展開する必要があるため、通常の授業よりも気を遣うことが多くありました。

4.おわりに来年の新卒研修は…

以上の項目を意識しながら弊社の新卒研修は無事に終了しました。
今後もコロナ問題を抱える可能性があるため『テレワーク』を意識した業務に少しずつシフトする必要があります。実際にテレワークすると見えてくる課題や逆に今までの業務へ活かせるポイントが出てきます。テレワークでプログラミング学習をする人が不安なく、研修を実施できるようこれからも準備してまいります。
現在KENスクールに通われている受講生に『オンライン授業』を展開するのはまだ先になるとは思いますが、【学びたい人がすぐに学べる】パソコンスクールを提供できるように精進してまいります。

執筆者:KENスクール福岡校 田邉・中屋

合わせて読みたい: KENスクールの学習システム